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 ところで、彼にも、ある夢があった。 それは、音楽をやる、ということだ。  きっかけは単純だった。 どこかのアーティストが、テレビ番組で担ぎあげられていた。 画面から聞こえる黄色い声援。 彼は、「これだ。」と思った。  彼は歌手になって、世界を魅了してやろうと考えたのだった。 彼の親は、歌手になる事に反対であったが、彼は、その反対を無理やり押し切り、実家を離れ、単身で都会にでて、アパートを借り、アルバイトで生計を立てながらも、音大に通うことにした。
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