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微かな違和感が脳裏を過ぎる。その瞬間に、肩にある金属片が発光し、インナーを着用したときの僅かな刺激が体全体に走っていく。
そして、眼前が真っ暗な闇に包まれた・・・
と、思ったのも束の間で、今度は真っ白な光に体全体が包まれた。
知らぬ間に瞑っていた目を開け周りを見渡した、そこは建物も少なくいかにも何世紀も前の時代にタイムスリップしたかのような小さな集落だった。
しばらく呆然と立ち尽くしていると、横から声をかけられた。
その声の主は、俊一の目線よりやや低い位置からこちらを伺っていた。背は小さめで160CM前後だろうか、見た目は30代後半位で肌が小麦色に焼けた筋肉質で健康的に見える男だった。その男はこちらと目が合うと、一呼吸おいて話しかけてきた。
「君が今日新しくハンターになった「俊一」だな?」
「あっ、はい、よろしくお願いします。」俊一は、なれなれしいなと思いながらも社交辞令的な文でやんわりと返答した。
「紹介がまだだったな、俺はこの村で狩猟指導っつうか、初心者に指導してる「厳(げん)」だ、よろしく! 案内するからついて来い」と言い、俊一に背中を向けて歩き出した。
一通り、村の中の施設の案内と説明をしてもらい最後にこれから暮らす家に案内された。
家の中には、何か物を仕舞っておくような細長の箱と武具を立てかけて置く棚の様な物とシングルサイズのベッドが置いてあり、テーブルの上にはこの時代には似つかわしくない1台のパソコンが設置してあった。
「何か解らない事や困ったことがあれば、そのパソコンとやらで調べてくれ、後、武具棚にある弓はお前のだから好きに使っていいぞ!」と言い残し厳は去っていった。あまりパソコンの事は解らないのであろう。
あまりの簡潔さに俊一はポカンと口を開け突っ立っていたら、厳は足早に部屋に戻ってきた。
「すまん!こいつを渡し忘れていた」と、右手に持った小さな鉄製の箱を渡してきた。
俊一がそれを受け取ると、「そいつは、レコーダーってやつだ、出会ったやつのいろんなステータスやモンスターの特徴も記録できる便利な物だ!パソコンで使い方しっかり調べて置けよ!」一方的に喋って厳はまた家を後にした。
俊一は厳を黙って見送っていた。
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