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私立七夕学園。
それが、僕の通っているこの学園の名前である。学園、と言うよりか学園都市。四方七キロメートル(これは七夕の七から来てるのか知らないが、兎に角、この学園には七にちなんだモノが多い)の壁に囲われていて、中には私立七夕大学、高等部、中等部、初等部の校舎がそれぞれ七つずつ。高等部以下には三つずつ集会用ホール、二つずつ体育館が付属している。全寮制と言う訳ではないが、学生寮も七つある。日本国内一の大きさを誇る図書館、洋服店から百貨店など二百店舗が複合された超大型デパート。因みに、デパート内は生徒手帳をかざせば、学園生徒は無料で飲み食いや好きな物が手に入る。他にも、映画館や植物園、テーマパーク……何故か七夕神社や七夕寺と言うのもある。目的は不明。僕はそこを初詣なんかで使用している。
僕がいるのは、その中の高等部校舎。現在は第四棟の四階、今年から僕の所属する二年七組のある階だ。
不吊先生が喋り過ぎでダウンし、読書に飽きたが為に、七夕学園指定の鞄をもって図書室から出たのは、確か三十分位前。
どうやら図書室で暇を持て余してる間に始業式は終わっていたらしい。過ぎ行く教室々の中を見ると人気は無く、鞄さえも無い。どうやら僕は、担任はおろかクラスメイトの一人も見る事が出来ずに、今日と言う日を終える事になりそうだった。
別に友達なんていないから、いいけれどね。
――もう帰ろうか。
今日の午後は兎に角、学園に用は無いのだ。好きなように使うがいとよろし。
そう言う天からのお告げがあったので、僕は素直に帰る事にした。なんだか教室に行くのも億劫になってしまったし、逆らえば天罰が下るであろう。
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