第一章

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そして、降りる駅に着いたとき。 ドン。 「わ…!」 サラリーマンの人が思いきりぶつかってきて、持っていた数学のノートを地面に落としてしまった。 朝の電車は人が多くて、降りていく人に押されてノートが拾えない。 「すいません!!あの…」 その時、誰かが私のノートを拾ってくれた。 「あ…。すいま…あれ?た…立川くん!!」 「はい。これ、落としたでしょ?」 目の前に学年1、女子に人気の立川君が立っていて、一瞬固まってしまった。 「ごめん!!あ…ありがと「ほんと崎田さんて、ドジだよね。気を付けなよ。」 「すいません…」 私の話を遮るようにして話してきた立川君に、なんだかちょっとムカついて、 「…拾ってくれてありがとう。じゃ、行くね」 と言って、同じ学校なのに一人で登校した。
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