第一章

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彼と話すと、やっぱり誰だって緊張する。学年のアイドルなわけだし。 そんなことをブツブツと頭の中で考えていたら、誰かが私の机の前に立ち、私の頭上に影を落とした。 フッと顔をあげると、見慣れた笑顔があった。 「ソイ。おはよ~!」 「あー。大樹。おはよ~。」 大樹は、中学が一緒でよく話が合う友達だ。 「どした?その眠そうな声。」 「眠いんだ~。だって今日、テストだよ~?」 「…」 「大樹?」 「…忘れてた。」 「え?」 「今日小テストってこと忘れてたーーー!!」 「はぁぁあ!?」 ホント、相変わらずドジでアホだな。 「ってことは、勉強してないんだ?」 「おう…。まあ…数学はそこそこできるし…」 「うわ~嫌味だわぁ~」 「本気で言ってるわけないだろ~。自分に言い聞かせてるんだよ~」 .
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