第一訓 転校生って不思議な力とか秘めてそーじゃね?

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さっきまで騒がしかった教室内が静まり返る。 「お、良かったな男子。どうやら今時珍しい丸縁メガネの美少女だ。」 そう、教室に入ってきたのは赤みがかった髪にメガネで隠れてはいるが碧眼の小柄な美少女だった。 何故か左手には包帯が巻いてある。 「んじゃあ、神楽。自己紹介しろ。名前と好きな食べ物でも何でもいいぞ。」 「………名前は、神楽。皆、私には近づかない方がいい。私に近づくと良くないことが起きる。」 「………以上!神楽ちゃんの自己紹介でした!はい、拍手拍手~。」 パチパチパチとまばらな拍手が教室内に鳴り響く。 そしてこの拍手の中手を挙げる男子生徒がいた。…………桂だ。 「先生、今の自己紹介おかしいと思います。」 「おい、ヅラァ。空気読め。明らかに今みんな空気読んでんだろ。スルーしろ。」 銀八は桂に転校生に聞こえないように注意した。 「じゃ、じゃあ神楽。お前はもう席に着け。そうだなぁ……。あ、沖田の後ろが空いてるな。あそこの栗色の髪の奴の後ろの席に行け。」 「御意。」
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