図書室と、いつもの当番

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窓の開いた廊下を歩いていると、春の暖かさが伝わってくる。 廊下から見える桜が綺麗だ。 この前までは、面倒だなぁ~と図書室へと向かうこの廊下が足取り重く感じていた。 しかし、いざやってみると…そんなに嫌ではないことに気がついた。 貸し出しは本のバーコードをスキャンするだけだし、返却も同じだ。 本の整頓もそれほど散らかってはないし、勉強しに来る生徒も居る。 何より騒がしい教室とは違って、静かで落ち着く。 本はあまり読まない俺だが、図書委員になったきっかけで本を手に取るようになった。 ガラッ 俺が図書室の戸を開けると、すでに勉強しに来ている生徒が数人居た。 「(お、関心関心。)」 そう思いながらカバンを置いて、受付の椅子に座った。 スキャンする用のパソコンを起動させて準備万端だ。 「さて、俺は…。」 俺は、近くの本棚に手を伸ばした。 最近お気に入りの本。 中学生の野球の話で、シリーズ化もして人気の本だ。 俺は、再び椅子に戻って本を読み始めた。 この物語は、主人公が成長していく姿がリアルに表現されている。 家族・友人・恋愛…。 これからどうなっていくのか、気になって読むスピードが速くなる。 俺は夢中で読み進め、結局最後まで読み終えてしまった。
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