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ウルドから手渡されるものを1つ1つ身に着けながらスクルドは尋ねる。
「お姉さま?これはまるで戦支度ではありませんか?」
「戦場より厄介なところへ行くのだからね。」
スクルドはさっぱり想像も付かないといった表情。
「厄介というより…」
「少々面倒だ…が、精霊達には行けぬところ故、赴くしかない。」
スクルドに[装備]を手渡し終え、次に自らの[装備]を始めながらウルドは言った。
…ヘルめ、悪戯者とつるんで
いったい何を企んでおるのだ?
ウルドは最後に遠く西の国より献上された槍を掴んだ。
…何だこれは!?
掴んだ手から、槍の持つ"意志"のようなものがウルドに伝わってくる。
…ロンギヌス?
…諸刃の剣ならぬ槍だな。
ウルドはもう一度槍を握り直した。
「さて、参ろう。」
ウルドはまだ半信半疑な表情のスクルドに手を差し伸べ、世界樹の根の中心へ歩き出した。
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