メシア生誕

3/3
前へ
/14ページ
次へ
  冬の黄昏は短く、急ぐヨセフの前に帷が訪れる。 しかしヨセフには自らの帰るべき家がはっきりと見えていた。 暗い天空から一筋の光が、広がりながらくっきりとヨセフの家を照らしていたからだ。 ヨセフが我が家に辿り着くと、そこには異国の法衣を纏った3人の老人が、ヨセフを待つようにたたずんでいた。 「あんたらは?いやすまね、今はそれどごじゃね!急ぐだ!」 ヨセフは扉を慌ただしく開け、我が家へ飛び込んだ。 「おっかぁーどごだー!?」 貧しい大工ヨセフの狭い家だが、彼の妻マリアの姿はどこにも無かった。 …どごさ行っただ!?  
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加