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確かに我が妹ながらワルキューレには多少いい加減なところがある…が、しかし、自分のしでかした事から逃げるような事は…?
いや待て…そうか!
ウルドは立ち上がり、うずくまってしまったスクルドの肩に手をかけ、穏やかな声をかけた。
「愛しいスクルド…さぁ顔を上げてわたしを見なさい。」
「お姉…さま?」
「思い出して?わたしやワルキューレが、そなたを困らせた事があって?」
「いいえ!いいえ!お姉さま?」
ウルドは一息ついて、そっと肩にかけた手を滑らせ、スクルドの掌を引き寄せた。
スクルドは立ち上がり、そのままウルドに身を寄せた。
「ワルキューレも、わたしと同じくそなたを愛している…そなたを困らせるはずがない…」
「…!?お姉さま?」
スクルドの髪を撫でながらウルドは続けた。
「ワルキューレのはずがない…おそらくは悪戯者の仕業…」
「ロキ!?」
ウルドは遠く、ミッドガルドの空を睨んだ。
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