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広い空間には天井は無く、どこまでも高く螺旋を描き、その先は真の闇へ吸い込まれている。
ドワーフは酷くいびつな円形の広間を、右回りで歩き出した。
壁際にはポツポツと横穴のようなものがあり、その全てに蔦のような植物が格子のように張り付いている。
ドワーフはその1つ1つの"穴"を覗きながら進む…1つ目の人形(ひとがた)の生き物や、ドラゴンの一種、妖精のような存在…様々な生き物がこの"穴"に捕らわれている。
どうやらこの空間は牢獄のようだった。
ドワーフはさらに進む。ちょうど広間の入口から反対側の位置に4人のドワーフが、そこにある"穴"を警護するように立っていた。
この穴の入口には先ほどまでの穴と違い、蔦のような植物は絡んでいないが、何かしらのシールドが施されていた。
「中は相変わらずか?」
「変わんねぇ。」
「よりによってあの御方は、えらいもんを連れてきたもんだ。」
歩いてきたドワーフは、やれやれといった表情で、4人の内の1人に言った。
「ラグナロクまでの辛抱さ、どうせみんな死ぬ…お前は休んでこい。」
言われたドワーフは鍵束を受け取り、そこから右回りに広間を歩き、例の金属製の扉へ向かった。
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