能力

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「がはぁっ!」 全身を赤を基調としたバトルスーツに身を包んだそいつが吹き飛ばされる。背中から瓦礫の散乱する地面に落ち、苦しそうに息を吐く 「レッド!!」 それを見たピンク色の似たバトルスーツを着た別の誰かが、女性特有の声で悲痛な嘆き声をあげる その声に赤いそいつは満身創痍でありながらも崩れた瓦礫の上立ち上がろうともがいた。しかし足に力が入らないのか、震える腕でなんとか自身を支え上体を起こすのがやっとだった 「くそっ!強すぎる!!」 瓦礫に背を預け、足を大きな鉄塊に挟まれた青いバトルスーツのそいつが近くに転がっていたテレビを叩き壊し悪態をついく。フルフェイスのヘルメットを被っているが、悔しそうな表情が見えた 「くくく、無様だな。レンジャーズよ」 そんな彼らを、瓦礫の上から全長約2メートルの二足歩行する亀が見下していた。それはただの亀ではなく、甲羅には太い鋼鉄の棘が何本も生え、両肩には大砲が乗り、身体の至るところに怪しげな機械が取り付けられていた。そしてその右胸部にはとりわけ怪しげな装置が剥き身で取り付けられていた 「貴様らはそこで這いつくばって我々“ヴェイダス”による世界の再生を見ておくのだな。がっはっはっはっ!!」 無駄にダンディーなアルト声で亀が彼らを嘲笑う 「くっ!?アイツの後ろに何かいる!」 負傷した腕を庇い、壁に寄りかかりながら立ち上がる全身黄色のそいつが何かに気づき声を張る。声から女性だと特定できるが、ピンクに比べるとなだらかなバトルスーツすがたである 「この禍々しいオーラ、まさか新手か!?」 「ほう、なかなか良い邪気だな」 特徴のない緑の言葉に反応してか亀が自分の背後を振り替える するとそこには、全身から視認できるほどの黒いオーラを立ち上らせた、人形の異形が崩れた商店街の瓦礫の中から立ち上がっていた。溢れる黒いオーラと人間の頭の代わりに半球を被らせた所を除けば、ただの人間に見えなくもない 「ふむ、見たこともないやつだが、その邪気は間違いなく我々と同じ。まだ生まれたばかりか」 可笑しそうに顔を歪ませ、亀はそれに背を向け、再び瓦礫の上から彼らを見下ろす 「さぁ!貴様の実力を見せてみろ!手始めにそこにいる雑魚を殲滅しろ!!!」
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