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「 ざ け ん な 」
ドスッと何かが突き刺さる音がして、亀の棘の生えた甲羅にそれの拳が突き刺さり
2メートルはあるその巨体が浮き上がり
続いてその浮き上がった巨体を踏み潰すように、半球頭のそれが亀の上空から両足でスタンプを決めた
「オッグルァアアアア!!!」
「黙れ」
瓦礫の山の上から一気に地面に転落し、苦悶の叫びをあげる亀の顔を追い討ちを駆けるようにして踏みつけ黙らせる
「ナッ、ナジェダークニメザメタキサマガヒーロノミカタナジオ」
「…………」
亀が何かを言っていたがグシャっと言う鈍い湿った音がし、辺りにドロリとした緑色の液を撒き散らした、とても子供には見せられない光景が出来上がる
だがその光景もつかの間、次の瞬間には亀の残骸も辺りに散ったそれも黒い霧となり蒸発し、大気中に霧散した
残されたのは、商店街の残骸である瓦礫の山と何とか瓦礫やらの下敷きから這い出た色とりどりの戦闘服を着た面々、そして半球を被ったそれ
「……助けられたの?」
「そのようだな」
何処からともなく現れた緑のバトルスーツのおそらく女性が青に肩を貸しながらそれに近づく
「………味方なの?」
「さぁ?とにかく礼が先だ」
桃色と支えあいながら合流した赤が、若干ふらつきながらもそいつに歩み寄った
「俺はこのレンジャーズのリーダーを務めるレッドだ。さっきはアイツを倒してくれてありがとう」
と言って握手を求める様に右手を差しだし
「………ノセイデ…………」
「え?今、何て?」
ぶつぶつそれが何かを呟いたのを聞き返し
「……ヤノ、……モリ…ウセンガ」
「なら何を言ってるのか全然聞こえな[ゴギン!!]え゙?」
もう一度聞き直そうとした瞬間、何やら響いてはならない音が自分の手元がした
恐る恐るフルフェイス越しに青ざめた表情を浮かべ、手元に視線を向ければ
肘と手の間の骨がちょうど真ん中で、耐久性や筋力を向上させるバトルスーツ越しに90度向いてはいけない方向を向いていた
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