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同日、十一月十八日。
本間 歌津美。
大沢 明徳。
早乙女 真理。
三人は、いつものカラオケボックスに集合した。
いつものように捜査会議を行うつもりながら、こうして顔を合わせたものの、陸道殺害の衝撃にどう話しを切り出していいか、それぞれに迷っていた。
無論、大沢と真理は警視庁内の対策室で、橋本や庄司と共に何度もその事は話している。
だが、歌津美に話すのでは意味が違うのだ。
それは、このメンバーこそが捜査の最前線であり、事件の確信をついていると大沢達が思っていたからだ。
睦目 陸道の殺害。
そのような事態を、この捜査本部では予測していなかった。
いや、予測は可能だった筈。
首謀者側が、どうして陸道の釈放を望むのかを話した事があった。陸道教と首謀者側の接点は、多岐川 沙菜の存在だけである。
その沙菜が、首謀者だと前提しての考え。
沙菜は、陸道に捨てられた過去があり、そのような事実がありながら、釈放を求める理由が分からなかった。
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