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それは、前々から考えていた事。
ただ、ある意味で馬鹿げた発想とも言えなくないから、発言する事を悩んだ。だが、言うべきタイミングは今だという気になる。
「きっと、もっと大きな事を、狙ってるんじゃないでしょうか」
「どういう事かな? 歌津美ちゃん」
そんな歌津美の発言に、大沢が聞き返した。
これまでの話しの内容からして、歌津美が口を挟む感じでは無かった為、何を言い出すのかと真理も興味を示した。
二人に注目され、歌津美はハニカミながらも語り出す。
「あの陸道が殺された事で、一部というかネットの世界では、首謀者を悪者じゃなくて、正義の集団と言われてるのは知ってますか?」
「うん、勿論」
「狙いって、それだと思うんです」
「つまり、これまでの事件を正当化して、国民に認めてもらいたいって事?」
「それを足掛かりに、国を自分達の思うように操りたいんじゃないかって……」
最後は、尻すぼみのように声が小さくなり、歌津美は話しを終えた。
それを聞き、大沢達は頭の中で解釈しようとする。
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