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かつて陸道教を設立した睦目 陸道は、恐怖により日本を支配しようとした。
それは、歌津美達の捜査により、その目的すら世間に知られぬまま、教団は壊滅へと追いやられた。
今回の首謀者も、それと同じ事を目論んでいる。
ただし、その手法は陸道と違う。
形はどうあれ、自分達の力を見せ付けておいて、それが正義であると思わせて国民の心を掴む。恐怖により押さえ付けるのでは無く、心を操り日本を支配しようというのか。
歌津美は、そう仮定した。
「確かに、一連の事件の加害者も被害者も、殺されて当然の悪人って話しが流れてる。それに、警察の信用も地に落ちてる今なら、何かの行動を起こせば賛同する人はいそうね」
「真理さん。私の考え、変じゃないですか?」
「ううん、全然。何も知らない人間が聞いたら、何を馬鹿なって言うかもしれないけどね」
確かに突拍子も無い話しだ。
それこそ陸道の事を知らなければ、この法治国家で民主主義の日本を支配するなど、馬鹿げた話しである。
だが、それを企んだ者は確かにいた。
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