♯12 暗躍

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   主人公は港町で船頭の協力を得て、大陸の川を進行中だ。  途中、中ボスと思われる人魚と戦闘になるも、倒す前に逃げられてしまった。  更に、辿り着いた港町を解放したのだが、こちらも全ての魔物を倒す前に、魔物達は水路を使って逃げてしまう。  そう、両方が逃げた。  一般的に、ロールプレイングゲームにおいて、そうした中ボスなどが、戦闘中に逃げ出すシナリオは滅多に無い。  いや、歌津美が知る限りは無い。  大沢も、同様のようだ。  そして、【Sixth Sense】のこれまでのシナリオにも、そうしたケースは一度も無い。 「それに何かの意味が、あるような気がしちゃったんですよ」 「敵が逃げ出すねぇ……」 「あっ、真理さん。あくまでも私の思い付きですから、そこまで真剣に考えなくても」  その時、大沢が大声を出す。 「ちょっと待った、歌津美ちゃん」 「えっ、大沢さん?」 「これがもし、何かのメッセージだとするならば、葛西臨海公園の事件を指してるって事だね」 「はい。それは、そうだと思います」
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