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俺は晃人の話を黙って聞く。…俺はずっと、それこそ物心ついた頃から伊織のことが好きだったけど…そういう、葛藤みたいなものはほぼなかった。
そういうことで悩む晃人はむしろ普通だ。俺の方がおかしいな…つかまじで考えてなかったけど、俺ってゲイだよな。
「なんか、好きになるのは当然の成り行きってゆーか、ヒロはまぁ見て分かったと思うけど、イケメンだし?すげぇ性格も優しいし。でも、その頃は悩んでたから、そのヒロに対する思いみたいなのも気持ち悪くて、自分がヒロのことを好きでいることで、どんどんヒロを汚していってる気がして、友達だっていう関係性利用してる気がして…1番怖かったのはヒロに気持ちを知られることでさ…だから逃げ回ってたんだよ」
「逃げ回る?」
「中学最後の1年、ヒロのこと避け続けた。んでまぁ、俺もいい具合にグレてさ、真面目なヒロとはグループも違うし、もう関わりあうことねぇ、このままこの気持ちも消えれば良いんだって思ってたわけよ」
ははっと、乾いたような笑いを浮かべる晃人。
晃人が、グレたってのは、もう簡単に想像がついた。どうせ、スーパーサイヤジンみたいに金髪で頭ツンツンだったんだろーな。
あれ?でも、関わりあうことねえって…
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