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「同じ、高校じゃなかったのか?」
付き合ったのは、高校なんだろ?
「…それがさぁ、中学卒業して、高校入学したら、あいつ居たんだよ、俺の高校に。しかも推薦で俺より先に入学決まっててさ…入試でも会わなかったし、もうこれっきりだと思ってたのに。ヒロは頭良かったし、もっとレベルの高え高校も余裕だったのに…」
「それって…」
「…俺が、その高校行くって誰かから聞いて、来たらしい。しかも、わざわざ俺にばれないように推薦で。」
なんだそれ、じゃあ、あれか?元から両思い的なあれだろ。甘酸っぱいやつじゃん。なんかもう綺麗な思い出過ぎてムカついてきたわ。
「つっても、俺はまだ尖ってたし、嬉しい反面、なんでだよって思ってたわけよ。人がせっかく諦めようとしてんのにって。」
「ははっ、その頃から素直じゃねえんだな。」
俺が笑うと、晃人はムッとした顔をする。…表情はめちゃくちゃ素直だけどな。
「うるせぇ。不器用なだけなんだよ。その反面、ヒロはめちゃくちゃ器用なやつだったよ」
今日会った、坂本さんを思い浮かべると、それはそうだろうと納得する。出来る男のオーラがむんむん出ていた。
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