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シャルディアの話を要約するなら、神々が死神達にちょっかいを仕掛けたらしい。それは中々収まらず、遂に他世界や、魂が廻る、輪廻にまで、影響を及ぼし始めた。
曲がりなりにも、神と呼ばれる者達の力の余波を受けた複数の魂は、輪廻の輪から、弾き出されてしまったらしい。
そして弾き出された魂の一つが、僕。
そしてたまたま僕の魂を拾い上げたのが、シャルディアだった。
しかし、殆どの神が、そちらに行っているのに、何故彼は、この自分の創り出した空間に留まっているのか。
それが引っかかって、じっと視線で問い掛けると、あぁ、とつまらなそうに一つ呟き、結果が見えているし、それにくだらないだろう。とシャルディアは笑う。
「神や死神と呼ばれる者達は、殆どの場合に於いて、不死なんだよ。それなのに争うのは、不毛だろう?」
結果は見えている、と言ったのに?。
「あぁ。死神はね、万物の魂を狩り得る存在なんだ。彼らの持つ【デスサイズ】の効力は相手が神であろうが、遺憾なく発揮するだろうねぇ。」
僕の頭を撫でながら、シャルディアは言った。
少しだけ迷惑そうに顰められた眉。
シャルディアが言うには、例外もいるが、一般的に神は【生と再生を司る者】で、死神は【死と破壊を司る者】らしい。
領分が違うんだ、と呟いた。
「それに私は他の神とは不仲だし、交流すらし。ないから、加わろうと思わないし、どちらかと言うと、私は死神の方が交流があるんだよ。神達よりも、随分理知的だよ。」
気に、食わないらしい、自分達以外に神を名乗られる事が。
死神にしたら、とばっちりも良い所で。
死神も訳の分からない理由で攻め込まれては、流石に納得は出来ないだろうから、少し長引く。
暫く此処に留まっておいてくれるかい?と締めくくり、シャルディアは困った風に笑んで、僕にそう問い掛けた。
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