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「魔女様、出てきてください。」
少女は魔女を呼びました。
どこからもなく魔女が現れました。
荒れ狂った炎に包まれたはずなのに、無傷でした。
「……………………」
魔女は黙ったままでした。
「…魔女よ。守っていたのは本当だったのか?」
村長が質問しました。
魔女はこくりと頷きました。
「では、あなたの両親もそうだったのか?」
「私から説明します。」
少女が横に入ってきました。
「両親との契約が二年前で切れるため、クロノス城に来てもらうことになっていました。
しかし…その途中で、両親は魔物に殺されたのです…。
残された魔女様は、契約が切れないうちに、契約しないで、この村を覆う結界を自分で築き、二年も声を失われたままでした。
でも、私が来た以上、魔女様は声を取り戻すことができます。
何故なら、この場で契約をするのですから。」
少女は魔女に微笑みかけました。
魔女も同じようにしました。
「失礼…お嬢さんは誰なのですか?」
「クロノス城といい、契約といい、まさか…」
「申し遅れました。
私は、クロノス城の第一王女、アシェ=クロノスと申します。」
アシェは王家の紋章を村人たちに見せながら、名乗りました。
「姫様?!」
「どうして、ここに来られたのですか?!」
「契約のためですよ。」
アシェはにっこりと微笑みました。
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