1 ツンツンなあの子

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俺の部屋は、とにかく隣の家の部屋と近い。 一、二メートルあるかないかという至近距離だ。 だから朝もうっかりカーテンを開けられない。 「…何覗いてんだよ」 制服に着替えようとしていた俺、濱田翔は窓の外から視線を感じて窓の方を見た。 そしたら案の定、隣の家の窓からパジャマ姿の肩までの髪の女の子の顔があった。 この女の子の名前は本多美夏。 小さい頃からの付き合いで、気心知れた仲ってやつ。 が、こいつはちょっとたちが悪く、口も悪い。 「覗いてやってんの。一応の生存確認」 「あっそ、今日も元気ですよー」 こいつは昔から口が悪い。 おかげで受け流し方、あと普段でも、興味ない話を延々話された時の対処もできるようになった。 ふと、美夏が俺を見ながら俺に聞いてきた。 「しっかしひょろいわよねあんたって。鍛えたりしないわけ?」 「別にいいだろ。スポーツやるわけでもないし殴り合いする訳でもないし。お前だってみるみる青白くなってんぞ、少しは外出ろよ」 「女子は白い方がいーんですー。それに青白くはないわよ」 俺達はこんな言い合いを毎朝している。 悪口は言うけど仲は良いんだよな、俺達って。
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