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俺が溜め息をつくのを見た美春が俺の目の前でビシッと人差し指を立てた。
「確かに下ネタ的なことも考えたけど…。でも翔のスタミナ不足は明確な課題だよ」
「いや俺アスリート目指してる訳じゃないし」
「クラスマッチとかで『濱田の運動量がもう少しあれば…』とか、『負けたの濱田のせいじゃね?』とか言われちゃうんだよ!?」
俺のクラスには負けたことを人のせいにする人はいません。
しかし必死に訴えてくるな。
何か他に理由があるんだろうか。
「なあ、そんなに俺を鍛えてどうするんだよ」
質問にはカチャカチャと素早くボタン操作をしていた美夏が答えた。
「おもちゃにします」
「結局か!結局遊ぶ気だな俺で!やっぱ反省してないだろ!!」
「反省してまーす」
「嘘つけ!」
「うん、ついた」
埒があかねえ!
てかこいつに口で勝つのは無理だ!
しかもゲームしながら言われるのなんかむかつく!
悔しくて力一杯拳を握り締めていると、そっと美春の手が俺の手を包んだ。
「怒らない怒らない」
ああもう…つっこむ気力も失せた…。
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