3 濱田翔強化月間

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もう一発美夏から頭に拳を食らい、痛そうにしながらもどこか嬉しそうな美春。 いつも通りの姉妹劇場だ。 「つか、見せろって言う前にあんたが見せなさいよ翔。どーせ平べったいだけでしょ」 ムキムキではないけど少しは割れてるぞ! なんかここまで言われるとムキになっちまう。 「わかったよ、ほら」 一気に着ていたTシャツを脱ぎ捨てる。 すると美春がベッドの方に投げた俺のTシャツを野球選手も驚く横っ飛びでキャッチした。 「はあはあ…つ、ついに手に入れた翔の脱ぎたてTシャツううううう!!」 よし、ほっとこう。 ほっといた方がいいよな。 美夏は俺の体をじっくりと眺めて、 「なんていうか…普通ね。こんなんで重いのとか持てんの?」 俺の腕をバシバシと叩き、小馬鹿にしたように笑った。 ムカッとしている俺にそんなことしたらどうなるか見せてやる! 「ああ持てるぞ、お前くらいなら!」 へ、と虚を突かれた美夏の足と頭に手を添え、持ち上げる。 いわゆるお姫様抱っこってやつだ。 「…びっくりした、本当に持てるんだ。で、何?このまま私をどうするつもり?ん?」 抱きかかえたはいいけど…考えてなかった。 少し落ち着いた俺はゆっくり美夏を下ろした。
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