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もう一発美夏から頭に拳を食らい、痛そうにしながらもどこか嬉しそうな美春。
いつも通りの姉妹劇場だ。
「つか、見せろって言う前にあんたが見せなさいよ翔。どーせ平べったいだけでしょ」
ムキムキではないけど少しは割れてるぞ!
なんかここまで言われるとムキになっちまう。
「わかったよ、ほら」
一気に着ていたTシャツを脱ぎ捨てる。
すると美春がベッドの方に投げた俺のTシャツを野球選手も驚く横っ飛びでキャッチした。
「はあはあ…つ、ついに手に入れた翔の脱ぎたてTシャツううううう!!」
よし、ほっとこう。
ほっといた方がいいよな。
美夏は俺の体をじっくりと眺めて、
「なんていうか…普通ね。こんなんで重いのとか持てんの?」
俺の腕をバシバシと叩き、小馬鹿にしたように笑った。
ムカッとしている俺にそんなことしたらどうなるか見せてやる!
「ああ持てるぞ、お前くらいなら!」
へ、と虚を突かれた美夏の足と頭に手を添え、持ち上げる。
いわゆるお姫様抱っこってやつだ。
「…びっくりした、本当に持てるんだ。で、何?このまま私をどうするつもり?ん?」
抱きかかえたはいいけど…考えてなかった。
少し落ち着いた俺はゆっくり美夏を下ろした。
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