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「はっ、何も出来ないのにこんなことしたわけ?」
「い、勢いだ勢い!何かしようとした訳じゃねーっての!てかそんなこと言うなら、お前はお前で何か期待してたんじゃねーの!?」
こんなことを言ったって結局言い負かされるのがオチだってわかってるけど!
それでも言い返さないと気が済まん!
…何も言ってこないな。
「…別に」
…あれ。
いやいやいやいや。
ううん、うん。
…何この反応?
え、まさか、いやそんな訳…。
変な空気が俺と美夏の間に生まれる。
美夏は顔を逸らしたままだ。
「あ、あー!晩飯なんだっけー!?確かポトフじゃなかったっけ!?く、食ってくか!?」
無理矢理にもほどがある話題転換だよな。
美夏も無視してるし。
こういう時に美春がいればって思うけど…。
「翔っ!翔のっ!ふぉぉぉおう!!」
今あいつは夢の世界にダイビングしてるからダメだ。
つか…美夏のこの反応…まさか。
俺の自意識過剰なんだよな、そうだよな?
そう思ってるのが通じたのか、美夏は小さい声で言った。
「…食べてく」
無理にでもいいから俺みたいに変なテンションで言って欲しかった。
美夏じゃないみたいだ。
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