3 濱田翔強化月間

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美夏は家の門から出たばかりのところだった。 俺が出てきたことに驚いたみたいだ。 「びっくりした、何よ?」 やっぱり少し不機嫌だ。 俺は率直に言った。 「さっき…俺がお前を抱きかかえた後からお前少し変だぞ。その後の悪口もなんかいつもと違ったしな」 「は、はあ?何言ってんの?」 「俺、何かしたか?もしそうだったらその…謝るよ」 「べ、別に何も無いわよ。気にし過ぎ」 少し動揺したように美夏は言った。 やっぱり様子が変だ。 いつもの美夏なら、調子乗んな、とか言いそうなんだけど…。 「じゃ、また明日。あんた明日からちゃんとランニングしなさいよ」 「え、本当にやるの俺?」 まさか本気だったとは。 てっきりいつもの冗談かと思ってた。 隣の家からドアが閉まる音がするまで待ってから俺は家に入った。 すると玄関には母さんがいた。 「ちょっと翔!美夏ちゃんを抱きかかえたって何!?そこのところ詳しく!」 「なんでもない!ってか盗み聞きしてたのかよ!?」 マイクを持つジェスチャーをしながら迫ってくる母さんから逃げるように、俺は部屋に飛び込んだ。 芸能リポーターかよ。
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