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別れた当初、早紀はかなり林田先輩に対して怒っていたが、今は怒ってなく、むしろ、無表情じゃなくなった先輩を好意的に思っている。
「林田先輩が優しいからって、すぐに付き合っちゃダメだよ。先輩すぐに調子乗るから。」
「うん。今は誰とも付き合いたくない。」
もう傷つきたくないし、先輩に深入りしようとも思わない。
今は部活と勉強をしていれば、それでいい。
「お疲れ。」
部活が終わると、先輩が笑って待っていた。
周りの人は気を遣って離れていくが、別にそんなことをしなくてもいい。
「雨降りそうだな。」
先輩は真っ暗で、月も星も見えない空を見ながら言う。
「先に帰ってても良いんですよ。」
先輩は何も言わずに笑っていた。
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