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先輩が言っていたことが本当になる。
雨が降り出して、かなり冷えてきた。
「コンビニで傘買ってくる。」
先輩は着ていた上着を私の頭にかけて、雨の中を走って行った。
先輩の上着は、甘い香りがしていた。
「私も一緒に行ったら良かったかな…。」
雨の当たらない所で先輩を待つ。
一人になるとなるで、凄く寂しかった。
10分くらいしたら先輩がビチャビチャになりながら帰ってきた。
「はい。」
傘は一つしか持っていなかった。
「林田先輩は?」
「もうビチャビチャだからいらねぇ。」
いつも整えられている髪の毛を後ろに全部流す。
「風邪ひいちゃう。」
「お前がひかなきゃいいよ。」
先輩は髪の毛をガシガシと掻きながらいつもの口調で言った。
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