レイニー

8/12
前へ
/143ページ
次へ
「ああ、寒気する。頭痛いし。」 雨が降った翌日、林田先輩に学校で会うことがなかった。 そして、さらに翌日、先輩は登校してきたのだが、かなり怠そうだった。 「実花…おはよ。ごめんな、駅に行けなくて。」 先輩が私のことを実花と呼んだのを聞いた、早紀はかなり驚いていた。 「先輩体調悪いんですか?」 「…ちょっと風邪ひいた。」 苦笑する顔が元気がないのでかなり心配。 「私が傘持ってなかったからっ。」 「違う。俺の体調管理が悪かっただけ。」 先輩は、シラけた空気の中、ゆっくり笑みを浮かべて、口を開いた。 「すぐに治すから心配しないで。そしたら、また一緒に登下校な。」 先輩はそれだけ言って、教室に向かって行った。
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!

332人が本棚に入れています
本棚に追加