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「ああ、寒気する。頭痛いし。」
雨が降った翌日、林田先輩に学校で会うことがなかった。
そして、さらに翌日、先輩は登校してきたのだが、かなり怠そうだった。
「実花…おはよ。ごめんな、駅に行けなくて。」
先輩が私のことを実花と呼んだのを聞いた、早紀はかなり驚いていた。
「先輩体調悪いんですか?」
「…ちょっと風邪ひいた。」
苦笑する顔が元気がないのでかなり心配。
「私が傘持ってなかったからっ。」
「違う。俺の体調管理が悪かっただけ。」
先輩は、シラけた空気の中、ゆっくり笑みを浮かべて、口を開いた。
「すぐに治すから心配しないで。そしたら、また一緒に登下校な。」
先輩はそれだけ言って、教室に向かって行った。
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