天使が僕にKissをした

ﾚｲﾆｰ

｢どうだろ。その人が俺だったら良いなぁって思うだけかな。｣

先輩は恥ずかしそうに、頭を掻いた。

｢実花…好きな人いるんだ？｣

先輩は何処か寂しそうに呟いた。

私に好きな人、最近考えてなかった。

｢秘密です。｣

とりあえず誤魔化しておいた。

先輩のことだから、突っ込んでくるだろう。

｢ちゃんと言われるまでは、俺は実花の近くにいるからな。｣

先輩はバツが悪そうに言うと、それ以上は何も言わなかった。

｢私に好きな人がいても先輩には関係ないことですもんね。｣

｢関係ないわけねぇじゃん。俺は実花が好きだから。｣

先輩はサラっと言うと、またそれ以上は何も言わなかった。