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「じゃ、また。」
傘は先輩に渡した。
先輩は軽く笑うと、そう口にした。
「はい、また。」
笑顔を浮かべて返す。
先輩は頷くと、教室の方に歩いて行った。
それを見た後、ゆっくりと歩きながら教室に向かった。
今日は、天気が変わりやすい日のようで、雨が止んだり、晴れたり、また降ったり…
授業中にノートを書いてる時以外、ずっと眺めていた。
「実花、林田先輩いるよ。」
空を眺めていたら、早紀に言われて、急に見る方向を変える。
「実花の前だと笑うのに、それ以外の時は相変わらず無表情だね。」
いつも通りにダルそうに歩いている先輩を見て、前までの先輩を思い出して、クスッと笑いが漏れる。
「今の先輩の方が好きだな。」
「実花が好きって言葉出すなんて珍しい。」
早紀に笑われて恥ずかしくなった。
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