知ったのは…。

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すると、店員はおもむろにチェーンの付いた鍵をポケットから取り出し、開けた。 わ。やっぱり鍵持ってるんだ…。 女性の手足は男四人に押さえられ、今にも遣りますと言わんばかりの、ズボンを下ろしている男が1人膝を付いていた。 背中がゾワリとした。 さほど酔っていない私から見れば、間抜けとしか言いようの無い光景。 「お客様、当店ではそのような行為をされると退場して頂きますが。」 店員は全然臆する事無く対応している。 「今日は俺たちの貸し切り!関係ないだろ!」 「そちらの女性は?」 「コイツがしたいって言ったんだよ。」 女性は泣き始めた。 私は、傍に居た男の手を振り払い、隣の部屋に入って女性を立たせようとした。 周りの男たちは、当然邪魔をする。 「お前に関係ねぇだろ!」 男は腕を振り回して、追い払おうとする。 それでも行った。 女性は酒のせいか、それとも安心したのか、足に力が入らず立てない。 「ボーイさん、手を貸して。」 店員と私で女性を抱え、その部屋を出た。 さすがに男達も無理矢理止めるような事はしなかった。
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