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「真木野が気になるの?」
ほら。女の子の心を読むのが得意。
「気に……なるの…かな?」
言われるまでは気になっているって自覚は無かった。
慶介はとがめる事も無く、にこにこ笑っている。
「慶介は気にしてないの?」
「気にして欲しい?」
慶介の余裕の態度に太刀打ちも出来ず…。
「あ、ねぇ。日本建築史、休講だった。」
イキナリ話題を変えた。
これ以上、慶介にからかわれるのが嫌だった。
「あ?…マジ?もっと寝てれば良かった。」
講義に出てても寝てるくせに…。
私はチラッと掲示板を振り向いた。
そこにはもう、真木野は居なかった。
今私の付けている香水は、慶介からプレゼントされた物。
実を言うと、私もそれ程好きじゃない香りだった。
嫌いでも無いから付けていられるけど。
それに付けないと、慶介は不機嫌になるし…。
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