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その小さな国は争いが絶えず、男達は戦地に行くためだけに産まれてきているようなものだった。
「なんとかならないか…」
王様は頭を抱えたが解決案など見つかるはずもない。
見つかっていれば戦争はとっくに終わっているのだから。
「…ところで王子はどうした?」
そう言えば朝から姿を見ていない。
そう思って側近に尋ねると彼は困った顔をしながら「あの…町外れの…」と言葉を濁らす。
そこまで聞けば充分だ。
王様は溜息をついてまた頭を抱えた。
「あの子が王を継ぐのはまだ早いか…」
その言葉に誰もが下を向くだけだった。
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