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母「光雅、あなたはどこへ行きたいのですか?」
光雅「え…?」
いきなりの質問に、兄は驚いた様子で母を見上げる。
兄が驚いているのは、いきなり質問されたからだけではない。
今日メインとなる人物が自分ではなく、妹である柚巴なのに…という考えがまず、頭によぎったからである。
父「お前の行きたい所を言うが良い。」
父親もそんな事を兄に言い出し、兄はあたふたと焦り出す。
柚巴「兄上様…。」
妹の声を耳にした時、ふと思い出した。
『沢山…走りたいです。』
光雅「…あっ。こ、公園!大きな公園へ行きたいです!」
母「良いですよ。光雅は元気が良いですね。」
母は、兄の前だけニコニコと笑顔で反応する。
光雅「ありがとうございます母上様!」
大事な妹の為に最も子供らしく、最も走り回るのに適した所だと思って選んだ場所。それが公園だと思った兄は、本当に嬉しそうに母に礼を言った。
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