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光雅「母上様!柚巴は!?柚巴も一緒に…っ」
母「…言いましたよ?私は“条件付き”で、あの娘を外に出して差し上げると。」
光雅「っ、嫌です!」
必死にそう訴えると、兄は泣きそうな目でキッと母を睨んだ。
母「我が儘も程々になさい?貴方が望むから、私達は今まであの娘を生かしていたのですよ?」
兄のそれに怯むことなく、母は冷徹な雰囲気を放ちながら淡々と言葉を続ける。
母「…ここまで貴方の為に尽くしたのです。感謝なさい。」
光雅「感謝なんてしませんっ!俺は柚巴と…」
話してる途中で「パシンッ」と大きな音を響かせ
兄は横を向いて左の頬は赤くなり、母は右手を自分の胸の前に置いている。
母「…従いなさい。貴方は私達の子供なのですから。」
柚巴「兄上様…?母上様…?」
先程の音で気付いたのか、柚巴はそっとブランコから降り、皆に近付きながら声を掛けてみるが…
母は返事をするどころか、少女の方をチラリとも見ず兄を引っ張り歩き出す。
光雅「柚巴っ!」
兄は少女の名を叫び、少女を悲しそうに見つめた。
状況が理解出来たのか出来ていないのか、少女はただその場で立っている事しか出来なかった。
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