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光雅「柚巴ーっ!」
どんなに叫んでも少女はその場からピクリとも動く事は出来ず、ただ兄と母と父が去っていくのを眺めるだけ。
柚巴(…柚巴がここに残った方が…兄上様も父上様達もきっと、幸せ…。)
そんな事を思いながら、少女は俯いて兄の叫び声を聞いていた。
そうして…
一人になった少女はその場に座り込み、無表情のままこれからの事を考えていた。
柚巴(これから…どうしよう?柚巴…本当に一人になっちゃったし…)
ただぼーっと一点だけを見つめながら、小さな頭で思考を巡らせていると、知らない男に話し掛けられた。
男「お嬢ちゃん一人?不思議な目をしてるね(笑) 良かったらおじさんの所に来ない?」
声の方を見上げると、男は《興味》と言う言葉がしっくりするような視線をこちらに向けていた。
柚巴「良いの…?」
男「あぁ♪その代わり…売り物にはなってもらうけど(笑)」
柚巴「あ、ありがとうございますっ!」
外の世界をよく分かっていない少女は、簡単に男を信じて着いていく事を決めた。
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