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薄暗く、時々優しい風の吹くこの空間に、ある一人の少女が幽閉されていた。
人為的な音は殆ど無く
音と言えば、時々吹く風や水滴の落ちる音。
そして、その中で少女の歌声が響き渡っていた。
…が、そこへ、人の歩く音が聞こえ、その音は少女の方へと近づいて来る。
少女は歌うのを止め、誰が来るのかと予想しながら、闇の中を見つめた。
―――誰だろ?兄上様かな…?でも、兄上様は、もっと来るの遅いはず…
ある一人の人物を頭の中に思い浮かばせたが、予想は見事にはずれ、暗闇から姿を現したのは…
?「…お久し振りですね。柚巴」
柚巴「はっ、母上様!!」
母「…相変わらず汚らわしい目ですね。」
表情も無く、淡々と響き渡る母の声。
その声で放たれる言葉一つ一つ聞くたび、少しずつ顔を俯かせる少女。
母「まぁ良いです。…そうでした。貴女に珍しく良い知らせですよ。」
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