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遠くから母の呼び止める声が聞こえる中、必死に外まで走り続ける兄妹。
暫く走り続けていると…
ずっと薄暗かった景色から、一つの光が現れた。
―――あれは…?
光雅「柚巴っ、あの光が外だよ!」
息を切らしながら兄はそう伝え、先程まで以上に走る速度を上げる。
柚巴「は、はいっ!」
短く返事をするのが精一杯の少女は、そのまま必死に兄に着いて走った。
そして…
柚巴「ま、眩しっ!」
兄妹は光に包まれた。
少女にとって光に包まれる事は愚か、見る事も初めてなので
暫く闇に慣れた目を開ける事は出来なかった。
光雅「…ここが外だよ、柚巴。」
足を止め、息を整えながら優しく話かける。
その声に答えるように、少女はそっと目を開き、周りを見回した。
柚巴「わぁ…!」
目を輝かせ、感動の声を上げると同時に、また駆け出した。
光雅「柚巴ー!あんまり俺から離れないようになー!」
妹の様子を笑顔で見つめながら、兄は呼び掛けた。
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