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「はぁ…はぁ…!」
「こ…ここまで来れば…大丈夫…かな?」
そう言って、やっと立ち止まった「王子様」の手を振り払うと、息を整えながら詰め寄った。
「あ…あんた、何したの!?あんな…怖そうな人達に追われるなんて…!!」
「何って…お見合いから逃げて来たんだ。」
と、すごく真剣な顔つきで言うものだから、私は思わず吹き出してしまった。
「あははっ!何ソレ!」
「な…!そんなに笑う事無いだろ!?僕は真剣なんだぞ!」
「どうして?そんなに嫌なら断ればいいじゃない。あ。もしかして、好きな人でもいるの?」
そう言うと「王子様」は、ビックリしたような顔をして
「な…何で知ってるんだ!?もしかして、君は…エスパー!?」
なんて、素っ頓狂な事をこれまた真面目な顔で言うものだから、私はまた笑う羽目になってしまった。
「あははっ!それならそうと、はっきり言えばいいじゃない!」
「そりゃ、言ったさ!僕には心に決めた人が居るってね。…でも…」
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