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「急がないと!」
優梨はパンを急いで食べ終わると服を着替えに行った。
小走りに出ていく優梨の後ろ姿は背中が丸見えで、内心かなりドキドキしてしまった。
「さて、俺も着替えるかな……」
食器を食洗機に入れると俺もリビングを後にした。
──
「いってきまーす!」
「いってらっしゃい、車に気を付けろよ」
「はーい!」
制服に着替えた優梨は小走りで玄関から出ていく。
俺達の家は神山財閥から与えられた社宅だ。
神山駅から近く、さらに神山財閥本社にも徒歩5分ほどの距離だ。
しかも一戸建て住宅で新築だ。
副社長である神山 椿【カミヤマ ツバキ】様が結婚祝いだと言ってわざわざ新築にしてくれたのだ。
知っていると思うが俺と優梨は結婚している。
優梨はまだ高校生なので、学園でどのような反応をされるか心配だったが、意外にも皆は納得していたそうだ。
「さーて、俺も会社に行くとするか」
スーツに着替えた俺はカバンを持つと玄関から外へ出る。
そして、ガチャンとまだ新しいドアに鍵をかけ、会社のある方向へ歩き出した。
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