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 目を覚ました、ある日の事。  白いベッドの上で寝ていた。  鎖を繋ぐ首輪は、無くなっていた。  ここは、隔離されていた部屋とは違い檻も鎖も重そうな扉も無かった。  ベッドの横には、あの首輪があり“017”っと刻まれていた赤い首輪。  手にとると、チリンと可愛い音がした。  身体には、沢山の包帯が巻かれていてミイラみたいだ。  ここは、どこなんだ?  秋良は?  雛菊は?  主人を失い鳥籠から解き放たれた鳥は、行き場を無くして項垂れた。  捨てられたんだ……。  この時初めて、瞳が熱くなって温かい水滴が瞳から溢れた。  白いベッドで、うずくまった。  止めどなく流れてくる温かい水滴は、布団に染みを作った。  身体についていた点滴の針を抜く。  あの首輪を持って、ベッドから下りようとする。  暫く使われていない衰えた足では、バランスが取れず直ぐに床に倒れてしまった。  最後に秋良に会ってから、どれだけ眠っていたんだろうか?  動かない身体がもどかしくて、もっと温かい水滴が流れた。  秋良に会いたい……。 コンコン 「秋良っ!?」  ガラッとドアが開かれる。  入ってきた少年は、首を傾げた。  肌の白い、無機的な人形みたいに無表情な少年。 「…ナナシ…。」 「ナナシ?」 「僕名前無いんだ つけてくれる人とか居なくて……。」  少年は、無表情のまま告げる。 「でねここに保護される前居た場所では“774”って番号だったからそれとかけて“ナナシ”」 「保護ってここは?どこなんだ?」  俺は、恐る恐る訪ねてみた。  唇が震える。
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