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「病院だけど?」  少年は、当たり前だろ?っと言わんばかりの顔で目の前にしゃがむ。 「1週間前かな?お兄さんが来たの」 「……?」 「色の黒いお兄さんと首輪の付けたお兄さんたちがお兄さんを連れてくるの見たんだ」 「もしかしてっ!秋良たち?アイツは?何処にいるんだっ!?」  思わず声を上げてしまうと、少年ナナシは、驚いた顔をした。  興奮してしまい喉のあたりが、不快感に襲われる。 「ゲホッゲホッゲホッゲホッゲホッゲホッ」 「身体が弱ってるんだから安静にしてなきゃダメだよ」  ナナシは、そうゆうと俺の首輪を拾い上げた。 「“017”か…」 「返せよ」 「うんじゃあ下二桁が“17”だからイナって呼ぶね」  そういえば秋良は、なんと呼んでくれてたっけ?  んー?思い出せない。  鳥籠の中で育ち野生を知らない鳥は、鳥籠から放たれたら長くは生きていけないらしい。  ソレが運命なら…潔く消えよう…。  秋良が俺を要らないなら、このまま消えてしまおう。 ━━誰か俺の名前を呼んでください……。
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