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「あーーっ週末の天気、雨に変わってるーー!!」
和やかなランチタイムの教室に轟く奇声。
「雨宮ーー!!」
スマホで、お天気情報を見ていた三雲が私の名を叫んだ。
理由は分かっている。謝罪せねば。
「すまん。直前になったら急に楽しみになってきて……」
「バカモノ!」
「だが心配するな。今から無心で臨めば、曇りか小雨くらいにはなる」
「頼むぜ。行きたいって言ったのは雨宮だろ」
『むう』と呻く三雲。話し方は男っぽいがアニメ声だ。可愛らしい声だと思うが、それを指摘するとキレる。
この週末、三雲と舞浜にあるネズミの国に行く予定だ。
遊園地に行って雨なんぞ、最悪以外の何物でもない。
けれど私は、もの凄い雨女なのだ。
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