家族 過去 涙

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学校の帰り道 黒く長い髪を風になびかせながら歩く來音。 すると、ケータイが鳴った。開くと【姉】と表示されていた。 來音「・・・・もしもし」 『もっしも~し!あたしっ!』 來「あたしあたし詐欺ですかコノヤロー」 『姉だっつーの。で、リビングに夜ご飯とプレゼント置いてあるから。』 來音は走りだす。 來「ぉう。じゃ。」 『え、ち、ちょっ。待っ――――』 プーー プーー 強制的に切ると、さっきよりスピードを上げ、家へ帰った。 東野家 來「はぁはぁ」 息を切らしながらも戸を開ける。 中はシンとしていた。 リビングへ向かうと、姉の言うとおり夜ご飯と――白い箱と置き手紙があった。 置き手紙を手に取る。 『白い箱はプレゼントよ ちゃんと食事は取るよーにね。』 と書かれていた。 來「・・・・・・・・姉ちゃん・・・・・・・・。」 來音の姉―――東野 架憐(とうの かれん)は唯一の家族。 母は父と離婚し、父はその後、無くなった。 今、架憐は恋人の家へ居候中。 來「そーいや、プレゼントって・・・・・」 白い箱を開ける。そこには、紙が2枚――いや、写真と手紙があった。 幼い頃の幸せそうな写真。
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