0人が本棚に入れています
本棚に追加
來「――っ!!」
覚えている。4歳頃の写真だ。
写真には、父と母、そして架憐と―――笑っている、幸せそうに笑っている自分。
來(父さんも母さんも姉ちゃんも・・・・・・俺も笑っている。)
(この写真って・・・・・)
写真を裏にする。そこには、【2003/6/11】と書かれていた。
來「【2003/6/11】・・・・次の日には・・・・・・・・っ!」
嫌な記憶が蘇る。
手紙を手に取る。そして、中身を読む。
【來音へ
元気でやっていますか。部屋を掃除していたら、見つけたので上げます。
・・・
あの日の事は忘れなさい。幼かったのに、苦しい思いをさせてごめんね。
でも、あなたは強かった。優しかった。その思いは大切に。
どーせ、毎日毎日、泣いて泣いて泣いて、泣いているなら、笑えるときはとこっとん笑いなさい。
じゃぁね。
大切な家族 妹
架憐より】
ポタ ポタポタ ポタ
來「なんでっ、毎、日・・・・泣い、てっ、るって・・知って、んのっ・・・・・?」
手紙を握りしめ、涙が止まるまで泣き続けた。
最初のコメントを投稿しよう!