白の悪魔と救世主

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現在の時間軸を“0”とすると、この物語は未来へ向かう時間軸の“3”の場所。 近いようで遠い、そんな未来での物語。 このときの人類は地球環境問題をその英知で克服している。自然と共生することに成功したのだ。 しかし、新たな問題も発生していた。 このときの地球の人口は百億人を越えていた。地球で養える人数としては無理がある。 土地や食料をめぐっての争いが絶え間無く起きた。時代は変われど、人々は争いを止めることはない。 そこでアメリカをはじめとする先進国は“火星移住計画”を開始することを決める。地球の人口の約半分を火星へ。壮大な計画だ。 火星に“第二のふるさと”が誕生する。人々は希望に沸いた。争いが無くなる日も夢見た。 しかし、不幸にもその計画はある事件がきっかけにより頓挫してしまう。 2XXX年四月六日。それは何の前触れもなく起こった。 その日に起こったことを人類は決して忘れないだろう。 後世の歴史にはこう記されるに違いない。 “歴史上最大の生物災害”と――――
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