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「ハァ眞白様の我が儘にはこまるよな…」
「小さかった頃なら文句は言えなかったけれど…
今はもう、ねぇ?」
何人かが話してるのが聞こえてきた。
うん、俺の悪口だね…
嫌な視線を飛ばしていた人達だろうけど、
「旅行なら国内でも行けるだろ…何でわざわざ忙しい時期に外国なんだか…」
「そうよ…仕事が片付いたら戻らないといけないのよね…ハァゆっくりしたいわぁ~」
夏休みは社会人には関係ないからな、パパの部下達は愚痴を漏らしながらまた仕事場に戻っていった…
「我が儘、言わなければよかった。」
心臓もお腹も頭も全てがジクジクと痛む。
弱い心も体もこんな俺なんか生まれなければ良かったのに…
泣きそうになりながらも歯を食い縛り我慢した。
じゃないと俺が俺じゃなくなってしまいそうで怖かった。
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