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少し頬を高揚させ、街灯の灯りで唇に塗られたリップが光を反射させる…
そのキラキラした恵に一瞬見とれる努…
「おいおいデコピンは無いだろ~!」
見とれたのを隠すかの様にそそくさと立ち上がり、額を右手でスリスリとさする。
「…もう帰るよ…さすがにこれ以上遅くなったら親に怒られる」
「ああ…じゃぁ送ってくよ…」
「大丈夫!
部活の帰りもたまに遅いし、慣れてるから…
それに明日努は朝早いんでしょ?」
「朝練位大丈夫だよ」
「部長がそんな事言ってちゃ駄目じゃない…
じゃぁねぇ!」
恵は駆け足でその場を後にする…
何か勿体無い気がして…私は努から逃げる様に家に向かった…
こんなに胸が高まるなんて思ってなかったな…
焦って先に進みたくない…
努とゆっくり進みたい…
このまま一緒にいたらもうパンクしちゃいそう…幸せ過ぎて…
恵が公園を抜けると、ポツポツと雨が降り出して来た。
「…嘘~!
雨~?
うひゃぁ!!」
ポツポツと降り出した雨は、三分もしない内にどしゃ降りとなる。
恵は一旦シャッターの閉まった何かの会社の軒先へ避難する事にした…
「貼り付いて気持ち悪いなぁ…」
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