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時刻は11時58分
二分前にも関わらず、すでに晄斗の前には敵が現れていた
黒珠が共鳴し、頭に音が広がる
自然と、そこにいるのが敵だとわかる
これが黒珠の力か――――
「よー」
声をかけた奴は見たところヤンキーだった
どことなく三村に似ている…晄斗は嫌悪感を抱きながら黙って男を睨む
「お前能力者だよな?」
「ああ」
「ガキじゃねえかよ、こんなんばっかなら優勝は余裕だね」
「ふん」
男は見た目からして、二十代半ばだろう
黒髪の短髪に、顔の右半分に刺青が入っているライダーズジャケットを着た男だった
「あと一分したらお前を殺す。死にたくなきゃ敗けを認めな」
馬鹿かこいつと思いながら、晄斗は言った
「わかった」
「へえ、聞き分けいいじゃねえか。俺を前にしてビビっちゃったか?」
リィイイイイインッ!!
頭の中に音が響く
時刻は12時ジャスト
ズオッ!!
足元から黒い液体のようなものを出し、針状にして攻撃する
ボッ!!
「!?」
男は咄嗟に避けたが、油断していたのだろう
耳につけていたピアスを耳ごと抉られた
「ってぇ…てめー!!殺す!!」
「やってみろよ。クソヤンキー」
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